医療レーザー脱毛の仕組み

医療レーザー脱毛では、毛の色素(メラニン色素)に反応するレーザーを肌に照射します。

レーザーが色素に反応すると熱が発生し、この熱で発毛組織を破壊します。発毛組織を破壊された毛穴から再び毛が生えてくる可能性はほとんどありません。

発毛組織の破壊は法律上医療行為にあたるため、医療機関に限りレーザー脱毛を行うことが許可されています。施術は医師や看護師の資格をもった医療従事者が担当します。

医療レーザー脱毛で発毛組織が破壊されるまでの流れ

レーザー脱毛では、あらかじめ剃毛した肌にレーザーを照射します。レーザーを照射すると、毛の黒いメラニン色素にレーザーが反応し熱が発生します。

レーザー照射時に発生した熱が毛を伝い、毛根や毛根周辺に届きます。そして、毛を作る毛母細胞や毛母細胞に栄養を送る毛乳頭、毛母細胞の基となる幹細胞が存在するバルジ領域などの発毛組織を破壊します。

レーザーを照射して発毛組織が破壊されると、照射後1~4週間ほどで照射部位の毛が自然と抜け落ちていきます。

熱破壊式と蓄熱式の2種類の照射方式

医療レーザー脱毛で使用される脱毛機による照射方法は、「熱破壊式」と「蓄熱式」の大きく2つに分けられます。

レーザー照射で熱を発生させて発毛組織を破壊する仕組みは同じですが、照射出力の大きさや破壊対象の組織、毛が抜け落ちるまでの期間が異なります。

熱破壊式では、毛を作る毛乳頭と毛母細胞の破壊を目的として、高出力のレーザーを照射します。照射後は1~2週間ほどすると毛が自然と抜け落ちていきます。

出力が高い分、熱が発生しやすいため、部位によっては照射時に強い痛みを伴うこともあります。また、肌のメラニン色素を多く含む日焼けした黒褐色の肌は、レーザーが肌表面のメラニン色素に強く反応して火傷する可能性があるため、照射できない場合があります。

一方、蓄熱式では、主にバルジ領域を破壊します。バルジ領域の破壊で毛を生成する毛乳頭と毛母細胞の働き自体を抑制し、再発毛を防止することが目的です。

蓄熱式は、出力の低いレーザーを断続的に照射して、肌に熱を蓄えさせて表皮近くにあるバルジ領域を破壊します。施術後は3~4週間のあいだに徐々に毛が抜け落ちていきます。

蓄熱式は、出力が低いため、レーザー照射時に高い熱が発生しにくく、痛みを生じにくい傾向特徴があります。さらにメラニン色素の濃い褐色肌への照射にも対応できます。

レジーナクリニック オムでは、レーザーを照射する部位や患者様の肌状態に合わせて、熱破壊式と蓄熱式の2種類の脱毛機を使い分けて施術を行っています。脱毛機は、医師が患者様を診察して選定するため、患者様にご指定いただくことはできません。

照射回数と毛周期の関係

1回のレーザー照射ですべての発毛組織を破壊できるわけではありません。

照射部位全体の毛穴の発毛組織を破壊するには、毛の生え替わるサイクルを踏まえ、レーザーを複数回照射する必要があります。

毛が伸びて抜け落ちるサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3段階に分類され、このサイクルは毛周期と呼ばれます。

レーザーを照射し、発毛組織を破壊できる毛は、成長期の段階にある毛といわれています。成長期の毛は発毛組織と密着しているため、熱が伝わりやすい傾向があるためです。

毛周期は部位によって差があるうえ、さらに毛穴ごとに成長期を迎えるタイミングも異なります。同時期に成長期を迎える毛は身体全体の毛穴の約20%といわれています。

つまり、部位全体の毛穴がそれぞれ成長期を迎えるころにレーザーを照射するには、一定の期間を空けて最低でも5回施術が必要です。

医師でも毛周期の成長期のタイミングを厳密に見極めることは困難なため、医療脱毛クリニックでは、各部位の平均的な毛周期を考慮して最低2カ月以上の間隔を空けて施術を受けるように患者様に提案しています。

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